未経験でも組み込みエンジニアになれる?徹底ガイド!

未経験でも組み込みエンジニアになれるの?
という、疑問に対するアンサーは、
「YES」です!

しかし努力は必要です。

組み込みエンジニアがどんな仕事なのか?
何をすればいいか?
なれたときの未来像などなどを
現役の組み込みエンジニアである私が解説していきます。

組み込みエンジニアとは

組み込みエンジニアは、
現実のモノを動かすためソフトウェアを作るエンジニアです。

その対象は
洗濯機や冷蔵庫などの家電から
自動車や遊園地の乗り物、
はたまた、産業用のロボットや装置
など、そこでモノが動いていれば組み込みエンジニアのお仕事があります。

組み込みエンジニアの平均年収

NPOのCSAJ(Computer Software Association of Japan)が発行する情報に

よればエンジニアの平均年収は542万円、その中でも組み込みエンジニアの平均年収は、603万円です。
国税庁によれば、一般的な正社員の平均年収461万円なので、組み込みエンジニアはその専門性の高い差から30%ほど年収が高い傾向にあります。

また、給与体系は
・学歴よりも資格やスキル重視
・年齢よりも成果重視
など年功序列よりもパフォーマンスを重要視する傾向があります。

そのため、学歴は低いけれど今から頑張ってスキルを上げれば、
高給取りになるというのも全然夢ではありません。

実際に、私の勤務先は東証一部上場の機械メーカーですが、
国立大学の学部卒や院卒の新卒に混ざって、
いわゆる低学歴であったり、高卒や高専卒の中途の方もいらっしゃいます。

意外と思われるかもしれませんが、その理由は後ほど。

組み込みエンジニアの仕事内容

組み込みエンジニアの仕事は、製品が生まれるところから死に絶えるまで面倒をみる。
一通りの工程すべて組み込みエンジニアの仕事です。
次のような流れです。
・製品の企画
・構想設計
・ハード/ソフトウェア設計
・プログラミング実装
・テスト
・保守

製品の企画

顧客のNEEDSと自社のSEEDSからどんな製品を作るか考える工程です。
市場に関する理解、自社の技術に関する理解ともに高いレベルが要求されるため、
高いスキルレベルが求められます。

構想設計

サービス全体の構想を検討します。
全体?ときくとピンとこないかもしれません。
IoT化の波を受け近年の組込みシステムは、サーバーや顧客のデバイスと通信を行ったり、
複数の組み込みデバイスの連携により、サービスを提供することが多いです。
つまり1つのモノを作るだけで完結しないため、全体の構想にムダや漏れがないように設計が必要です。
ここがイケていると、ドラスティックなコストダウンや納期短縮、ユーザー体験向上が見込めます。

ハード/ソフトウェア設計

実際に1つ1つのモノを設計していきます。
ハード設計とはFPGAのような回路上のロジックの設計
ソフト設計では、いわゆるプログラミングの設計をします。
といっても、この段階で書くのはコードではなく、
プログラム全体の設計図です。

アウトプットの形は様々ですが、
要求仕様をまとめる仕様書であることもありますし、
もっと細かく、UMLと呼ばれる記述法で構想をまとめます。

プログラミング実装

皆さんのイメージするいわゆるプログラミングです。
ソフトウェア設計のとおりに、作っていきます。
作りながらデバッグをして要求通りの機能が要所要所で実現できているか
確認しながら作っていきます。
システムの規模次第ですが、1人で書くこともありますし、100人以上で作ることもあります。
チームが多くなるほど、役割が区分けされていくことが多いです。

テスト

出来上がったソフトウェアに対して、
正常な動作しているか、テストしていきます。
テストケースと呼ぶチェック表を作り見ていくことが多いです。
1つの製品をバージョンアップして作成するような場合は、
この工程の一部あるいは全部が自動化されていることもあります。

分担

企業によって、各工程が混ざっていたり、はっきり別れてていたりと様々です。
全行程を1人のエンジニアが製品に寄り添って開発する企業もあれば、
そもそも、工程ごとに会社が違う(委託)こともザラです。
私は、製品の企画から保守まで一通りを担当していますが、
全ての工程にやりがいがあります。

組み込みエンジニアが活躍する業種

動くモノが存在すればそこに仕事があります!
・家電や乗り物
・産業機械
・情報、通信機器
・ゲームなどのエンタメ機器

産業機械メーカーに務める私ですが、先輩方の前職を聞いてみても、
・ゲームセンター用のゲーム機器を作っていた
・雑誌用の印刷機械を作っていた
・VR用のヘッドマウントディスプレイを作っていた
など多岐にわたってます。

このように、幅広い業種で活躍が可能です。

必要な知識スキル資格

組み込みエンジニア関連の資格は
・ETEC(民間資格)
・エンベデッドシステムスペシャリスト(国家資格)
・OCRES(世界基準)
などがありますが、働くために必要ということはありません。
私の周りでも持っている人は少ないです。

必要な知識としては
・プログラミング全般
・メモリやCPUなどの部品に関する知識
・OSに関する知識(RealTimeOS,Linux,Windows)
・マイコンに関する知識
・電気図面、機械図面を読む知識
などなど色々必要です。

うわっ大変そうと思うかもしれませんが、
仕事をしながら身につけていくものです。
ただ、プログラミング全般については、個人の努力が必要です。

資格等はいらないので、
基礎スキルや素養があれば未経験でも組み込みエンジニアとして就職可能です。

独学でスキルを身につける

プログラミングのスキルは、インターネットで検索すれば情報がたくさんありますし、
書籍もたくさん出ています。
本やWEBを見ながら、実際にコーディングをしてみることで飛躍的に実力が付きます。

また、モノを動かす経験としては、
ArduinoやRasberyPieといった高機能マイコンを使った電子工作や
LEGOマインドストームを使ったロボット制御などをしてみるのが効果的です。

私の学生時代もLEGOでロボットを走らせて勉強してました。
何より、実際に作って楽しいと思えることが素養だと思うので、
悩んでいる方はまず作ってみましょう。

スクールに通う

基本的なプログラミングを教えてくれるプログラミングスクールはすでにたくさんあります。

もちろん、基礎的なプログラミングを身につけることは物凄く大事ですが、WEB系のプログラムなどを学んでしまうと少し遠回りだったりします。

しかしながら、モノを動かす組み込み的なプログラミングを教えてくれるスクールは本当に少ないです。

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組み込み向けのプログラミングスクール6選
組み込み向けのプログラミングスクール6選
2022.4.26
数多くのプログラミングスクールが開かれていますが、その大半がHTMLやJavaxcriptなどのWEB技術を教えるスクールです。 ロボットやモノを動かすための組み込みプログラミング...

技術派遣会社で学ぶ

技術派遣会社は、技術系の研修がしっかりしているので、初めての方でも一人前のエンジニアまで育て上げてもらえる可能性が高いです。実際に、私の努めている会社でも技術派遣としてソフトエンジニアが何名も来ていますが、彼らの技術レベルは高く信頼されています。

派遣会社で技術を身に着け、ゆくゆくは転職という道は堅実なルートだったりします。

学歴が低くても取り返せるルートですよ!

需要が伸びている

最後に、組み込みエンジニアの需要は確実に伸びていますし、これからも伸びていきます。
IoTやAIへの需要増に追従する形で組み込みエンジニアの仕事は増えていきます。

更に詳しい考察をコチラの記事で解説しています。

裏話・・・

後まで閲覧してくれたお礼に業界裏話です。
実は、組み込みエンジニアは・・・

「ソフトウェア」を学んだ学生から

人気がありません!理由は簡単です。
いわゆるモノづくりをしているメーカーには自分の仕事はないと思っている方が多く、
SAASのような、ソフトウェアのみのサービスを提供している会社を就活候補と見ているからです。

つまりは、組み込み業界は今も昔も人手不足。だから、学歴に関係なく実力がアレば企業はヨダレが出るほど取りたいんです。

まとめ

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